9200走行性能改善(1)2018年07月01日 22:37

 実家に帰ったときにゴソゴソしていたら昔買ったモデルワーゲン社製の9237が出てきました。中古で買った完成品です。私がHOjを始めたきっかけをつくってくれた機関車です。
 ひさしぶりに走らせたところ、どうも動きがギクシャクします。ので、分解して走行性改善にチャレンジです。
 この製品、1992年の発売当初は画期的だったと思います(もう四半世紀たってます!)。古典機らしいシュッとした下回りのプロポーションを1/87 12mmで再現し、動力にはファウハーベルコアレスモータ+フライホイールを採用しています。しかし、外観はよいものの、走行性能はコアレスなのになぜか牽引力がなく、しかもこの個体ではギクシャクしています。
 ギクシャク感は、働輪の回転位置の特定箇所で発生しており、ロッドがひっかかっているようです。よくよく観察すると、左メインロッドのピストン棒が、なぜか奥まで入りすぎてシリンダ後部に当たってストレスを発生させています。
また、右サイドロッドのクランクピンがメインロッドに時々当たっています。

 それで、左右メインロッドをはずして比較したのですが、長さが違う!という驚きの事実が判明したのです。
左側は、33.07mm
右側は、33.49mm。約0.4mm長いため、シリンダ後部に干渉していたのです。まあ、ここの長さが違っても動くには動くところですが、びっくりです。ロッド長の調整は困難なので、苦肉の策でシリンダ位置を0.5mmほど前にずらして、突っかかりを解消することに。泥縄(まるいち)式ですがシリンダ取り付け穴をドレメルで長穴化しました。
こういった完成品加工のとき、回転工具はとても効率的に作業ができます。必需品です!手やすりだとこうはいきません。また、右サイドロッドの当たりは、ピンの頭をヤスリで削り、メインロッド裏も削りました。
 シリンダ全体を約0.5mm前方にずらして固定したところ。シリンダ取り付けビスの穴を貫通させて、上回りを固定しますが、これぐらいのズレは影響ありませんでした。

 ところで、このメインロッドはロストで製作してあり、左右で同じ型を使っているようです。ロストなので縮みが個体によって違うのでしょうか。別キットのロッドとも比べたのですが、これとも長さが違います。こういう精度が必要な動力部にはロストは向かないと思うのですが...これも当時のチャレンジだったのでしょうか。
 この改修でギクシャク感はだいぶん改善できました。まだ、全体に転がり感が重いので、スライドバーのエッジをナメルなどして、調整を追い込んでみます。