DCC自動運転モジュール(1)2018年04月02日 23:51

 鉄道模型芸術祭で展示したDCC自動運転モジュールの構成機器について、備忘録的にまとめてみました。
 まず、DCCコントローラは、Desktop Station製のDSmainR5.0(最新はR5.1)を使っています。これに、車輌位置検出用のNucky製 s88-N Train Detector を接続しています(それぞれURLをリンクしています)。
 このDSmainの付属ソフトウェアが秀逸で、コントローラ、レイアウト配置図、WEBカメラでの自動運転、自動運転プログラム(スクリプト)など、いろんな機能が盛りだくさんです(私は、最初WEBカメラの自動運転で遊んでいました)。s88-N検出器は、ギャップを切ったレールにデコーダ搭載車輌が入ると、デコーダによる電流増を検知する装置です。1台で16区間まで対応しています。ある区間のデコーダ(=車輌)の有無を知ることができますが、その車輌アドレスまではわかりません。ここは、スクリプトで工夫して対応します。システム接続例は、NuckyさんHPのDetector紹介に記載があります。このモジュールでは、15区間のギャップを設けました。
 これらは、キット形式で頒布されていますが(DSmainは完成品もあり)、はんだ付けができ、かつ慎重さがあれば、組み立ては難しくはありません。
 線路は、ハンドレイで12mmは#55、ナロー9mmは#40のマイクロエンジニアリング製のレールで敷いています。ハンドレイにしたのは、ちょうどよい小型の市販ポイントがなかったのが大きな理由です。市販のフレキや組線路で、DCC自動運転はおこなえます。
 車輌は、地方私鉄の軽量で小型なものばかりなので、特に集電は気をつけています。基本は全輪集電で、絶縁側、非絶縁側ともに車輪裏に集電ブラシをあてています。DCCはDCよりも、集電不良には敏感に反応するようです。同時に、軸距離も短いものがほとんどなので、ポイントのフログ部は、無電区間をつくらないように、ポイント用デコーダとリレーを使って切り替えに連動した極性制御をおこなっています。
 使用しているDCCデコーダは、走行用にLENZ0511(古い!)、サウンド専用にsoundtraxx DSX-150(これも古い!)です。ディーゼル車輌は、soundtraxxのTSUNMIです。シェイのように車輌に搭載できないものは、モジュールの箱の中にスピーカを入れて、車輌と同期(同じアドレスに)させて、鳴らしています。soundtraxxには、集電不良時のリカバリ(KEEP ALIVE)用コンデンサがおまけについているので、必ず実装します。流山蒸気機関車につないている2軸のサウンドカーは3300μFに増強して、集電不良に対応しました。
 祭りの会場では忙しくて動画が撮れなかったので、家で撮影してみました。2分半の動画をYoutubeにアップしています。
 
今観ると、4台の車輌がせわしなく動いているなあ、という印象ですが、まあ展示用なので、こんなもんでしょう。個人で楽しむなら、もっと全体にまったりと動かした方が落ちつくと思います。

猫屋線ホハ1であそぶ(1)2018年04月03日 23:52

 猫屋線はTOMYTECがシリーズで販売している1/80 9mmの車輌たちで、ナローな人たちはいろいろいじって楽しんでいます。1/80なので傍観していたのですが、スタイルのよいダブルルーフ客車ホハ1形が販売されたので、購入しておりました。ネットでは今、ほぼ売り切れ状態のようです。
 さすがに、1/87ナローとして扱うには大きすぎるので、12mm 1/87ではどうかということで、仮組みしてみました。

 床板や妻板など、すべてはめ込み式なので、台車をはずして、引っぱると分解できます。これに、ボール紙でこさえた仮床板をテープで固定します。台車は、このサイズだと2軸がバランスよいので、エコーの客車用軸受(No.766)を両面テープで取り付けます。車輪は、オーストラリアSteam Era Models(SEM)社の9.6mmスポークを使っています。
 粘着テープ+段ボー仕様なのでゆがんでいますが、だいたいの雰囲気はつかめると思います。車体幅はナローで狭いのですが、南薩テフ58×2両切り継ぎのガソリンカー(右)とほぼ同サイズなので、ミキストにしたときのバランスはよいです。高さも、ちょうどいい感じかな。トラ40000とは、ホイールベースを確認しています(ちょっとひどい図ですね)。もう少し縮めた方が、不安定さ感がましてよいかもしれません。


 ということで、猫屋線はこのまま1/87 12mmの客扱い車輌として、入線させることにします。週末に本改造していきます。

 また、今月4月には、シングルルーフ客車が新発売されます。詳細は調べていませんが、フルオープンデッキだといいなぁ。

宮下洋一展にいってきました2018年04月07日 20:38

 土曜日の午後、巣鴨のさかつうさんで開催している宮下洋一展を観にいってきました。
わたしのモジュールの線路敷設と展示会での耐久走行テストも確認できたので、そろそろシーナリィやストラクチャに取りかかりたいと思っていました。が、年度末で仕事がバタバタしてモチベーションがあがらずにいたのです。
 数人の方が観に来ておられました。以前に観た作品もありましたが、自分が作ろうと思うと視点が変わって、いろんな発見があります。こういう作品を直に触れることができるのは、ホント幸せなことです。
 特に岩倉町駅は、見ごたえのある大作です。たとえば、保線小屋横の植木鉢と置き台など、なにげない作り込みですが、それだけで物語が生まれてきます。人と時間の気配がただよいます。モジュールのサイズは、わたしのものと同サイズです。一足飛びにはここまでの完成度は難しいのですが、めざして行きたい方向です。

発煙装置であそぶ2018年04月08日 23:34

 週末は猫屋線の改造であそぶつもりでしたが、ドイツから発煙装置が届いたので、思わずこれにはまってしまいました。
 HOJC栗原さんの相武鐵道では、自作のファン付き発煙装置を搭載したC57や86などが走っていて、いいなぁと思っていたのでした。私のは古典機や小型機が多いので、必然的に小型の発煙装置になってしまいます。いろいろ調査したのですが、SEUTHE(ゾイテ)社のものなら、載るかもしれないということで、サンプルに買ってみました。メルクリンなどにOEMしているので、信頼もできます。いろんなサイズがあるのですが、ビール瓶型で先がΦ4.5mm、お尻の方がΦ8.0mm、高さ21mmの形式No.27であそんで、いや、調査してみました。
 DC12Vを印加すると、約10-20秒で発煙しはじめます。最初は線香のような煙ですが、パチッというはぜる音とともに、本格的に発煙しはじめます。途中でも時々、このはぜる音がします。最大指定量0.2mlのオイルを入れると、だいたい3分30秒程度継続します。はっきり言って、短すぎます。10分くらいは続いてほしいです。といって、多めに入れると発煙しません。
 DCCコントローラのPWM電源では、線路電圧超アバウト11.5V(12V電源)と14.5V(15V電源)で比較してみました(普通のテスターのAC電圧モードで測定したので...)。電圧が高い方が煙の量や勢いがあります。時間が経過してくると、その差が少なくなってきます。煙的には、制式機は高めの電圧がよいかもしれません。お好み次第という感じです。
 電流についてです。DC電源の場合、電圧を上げていく過程で120mA/8.6V流れています。12.0Vではだいたい93mAで安定します。DCCのデコーダのアクセサリの多くが最大100mA/12Vです。きっと回路設計にはマージンがあるので、使えると思います(自己責任で)。あるいは、スペース問題がありますが、リレー駆動で、線路から直接印加する方法もあるでしょう。
 DCC(PWM)電源のテストでは、発煙装置の前に流山を置いて、雰囲気を楽しみました。これにかなりはまって、何度も調査、いやあそんでいるとどんどん発煙オイルが減っていきます。装置におまけでついていた10mlビンも半分くらいになってしまいました。大瓶オイルは注文し忘れていたので、熊田さんとこからESUの発煙オイル125mlを購入しました。
 Youtubeに実験の模様をアップしました(約2分30秒)。
 実際、流山にこの発煙装置の搭載は難しいですが、Nゲージ用として売られている発煙部だけのパーツも購入したので、小型古典機用に何かトライアルができないか考え中です。
 この発煙装置、実物の煙からはほど遠いですが、結構楽しめます。

猫屋線ホハ1であそぶ(2)2018年04月15日 23:16

 毎晩のように煙あそびをしており、ホハ1の改造にようやく手をつけました。
 両面テープ+段ボーでおおまかな感じをつかめましたが、デザインに影響を与えるホイールベースを決めるため、ボディと軸受けをスキャンしてデジタルデータにして、いろいろ検討してみました。とても古いフラットベッド型のスキャナーがあるので、これにボディーと車輪をのせた軸受けを、ガラス面に直置きして取り込みます。少しパースがつきますが、気にしません。部品として別々に取り込むこと、取り込みの解像度は変えないこと、などがポイントです。photoshopなどお絵描きソフトで、ボディーと軸受けの部品データを並べて、ホイールベースをいろいろいじって検討します。

 軸受けは、t0.4真鍮板でベースをつくり、1.4mmタップを切ってネジ止めします。軸受け側の止め穴は、ドレメルで長穴にして位置調整可能にしておきます。ホワイトメタルなので簡単です。軸受けはMEの茶染め液で下地処理をしました。

 位置が決まったら、床板に軸受けベースより少し大きいくらいの穴を糸のこであけます。プラなのでスパスパ切れます。

 下の写真のように、片一方は固定。もう片方は、Φ0.7真鍮パイプとΦ0.6ステン線を組み合わせて、軸受けベースが回転できるようにして、三点支持にしました。パタパタ動きすぎるので、線ばねなどでダンプを効かせた方がよいかもしれません。いろいろ走らせてみて、不具合がでたら調整していきます。

 ここまでは比較的簡単にできたのですが、カプラーが...。取り付けるスペースがありません。床板・ステップや妻板に切り込みを入れまくって、なんとか取りつけることができました。
すべて、瞬着+スーパーXで固定しています。やや強度に不安ありです。妻板は、上の写真の右側のように、下部の固定用爪を切り落としたので、プラプラしており木工ボンドで仮止めしています。きちんとした固定方法を考えます。

 比較的軽加工で、猫屋線の12mm(1/87?)の2軸客車化に成功しました。今後は、妻板固定や追加塗装・ウェザリングなどをおこなっていきます。